ニッポン・スヰングタイム

著作やCD制作、イベントの活動を告知します。戦前・戦中ジャズをメインとして、日本の洋楽史について綴ります。

2006-02-01から1ヶ月間の記事一覧

溝淵浩五郎の独奏

ギターが日本に入ってきたのは明治時代のことである。沢山の声楽家を育てたアドルフォ・サルコリがその普及につとめた。昭和4年に名ギタリスト、アンドレス・セゴヴィアが来日したことが大きな刺激となって、ギターを弾く人やギターのための作曲をする作曲…

溝淵浩五郎の独奏

ギターが日本に入ってきたのは明治時代のことである。沢山の声楽家を育てたアドルフォ・サルコリがその普及につとめた。昭和4年に名ギタリスト、アンドレス・セゴヴィアが来日したことが大きな刺激となって、ギターを弾く人やギターのための作曲をする作曲…

これぞマドロスの恋

1931年(昭和6年)のドイツ、ウーファ映画「狂乱のモンテ・カルロ」"Bomben auf Monte Carlo"主題歌「これぞマドロスの恋」「モンテカルロの一夜」は、我が国では奥田良三のポリドール盤と山田道夫のパーロホン盤でレコード化された。特に奥田良三がベル…

伯林春秋

「伯林春秋」という謎のレコードがあって、これはオークションに出たものだが、男声独唱の歌曲らしきものが吹き込まれているというので落とした。此処をご覧の諸兄はご存知の通り筆者は貴志康一に関係するものを蒐めているので、もしや此の盤も貴志関係であ…

Kurt Weill

先に「三文オペラ」の日本語バージョンを紹介したので、序でに手元にあるクルト・ヴァイルの僅少なコレクションから何枚かを挙げてみる。 一枚目は、先日紹介した記事の下方に示した初演者陣によるUltraphon録音(=Telefunken再発盤)より一年前の1929年にリ…

Arthur Nikisch

1913年録音のニキシュのベートーヴェン「第五」は流石に音の曖昧さ加減に辟易するが、1920年代になってから、アコースティック時代後期のオーケストラ録音は(好き嫌いはあるだろうが)充分に指揮者とオーケストラの呼吸を聴き取ることができる。 この「ロー…

La Folia

コレルリの「ラ・フォリア」"La Folia"といえば、ジョルジュ・エネスコの神品的なレコード"Folies D'espagne"と、エネスコに薫陶を受けたユーディ・メニューインの若々しい伸びやかな演奏のレコードを想起させるが、1938年に日本でこの曲の重要なレコードが…

三文オペラ

ベルト・ブレヒト脚本、クルト・ヴァイル作曲のジャズオペレッタ「三文オペラ」"Die Dreigroschenoper"(1928)は、初演までに重なった幾つものアクシデントやトラブルが災いして幕が開く直前まで「三日と持たないだろう」と下馬評で囁かれ、いざベルリン初演…

マドレーヌ藤田

マドレーヌ藤田(1910〜1936)は、エコール・ド・パリの時代にモンマルトルで輝いた画家、藤田嗣治の四番目の妻である。 そもそも藤田はパリ留学をする以前に最初の結婚をしていたのだが、パリで二番目の夫人バレヱと一緒になり、あっという間に破局すると、次…

唄へ唄へ

サンフランシスコ出身の日系二世歌手宮川はるみ(1914〜??)の最高傑作のひとつが、1937年に日本コロムビアに録音されたLouis Primaの"Sing Sing Sing"(唄へ唄へ)である。ステージで好評だったこのナンバーは宮川自身の希望でコロムビア文芸部の反対を押し切…