ニッポン・スヰングタイム

著作やCD制作、イベントの活動を告知します。戦前・戦中ジャズをメインとして、日本の洋楽史について綴ります。

2010-02-01から1ヶ月間の記事一覧

A.カアイの精粋「月は冴ゆれど」

井上起久子のディスクを纏めるつもりでいながら、なかなか果たせない。今回は天野喜久代(1897-1945?)である。というのも、実は井上起久子より天野喜久代の方が好きだからだ。昭和初期、ステージに、ラジオにレコードに活躍した天野はジャズソングの女王と喧…

二村定一の「ドリゴのセレナーデ」

「ドリゴのセレナーデ」"Notturno d'Amor"(堀内敬三訳詞、Riccardo Eugenio Drigo作曲) 二村定一 ニッポノホン 1926年2月新譜 リチャード・ドリゴ(1846-1930)の「百万長者の道化師」"Les Millions d'Arlequin"(1900)という歌劇の挿入曲。原題は「愛の夜想…

矢追婦美子の「それが世の中」

もはや忘れ去られた歌手、矢追婦美子を取り上げてみたい。 昭和初期のポリドールは、声楽志向の強い歌手が揃っていた。淡谷のり子や青木晴子は東洋音楽学校出身であり、奥田良三はイタリア留学経験者、そうして矢追婦美子は東京音楽学校卒、ミラノ留学の経験…