ニッポン・スヰングタイム

著作やCD制作、イベントの活動を告知します。戦前・戦中ジャズをメインとして、日本の洋楽史について綴ります。

2006-05-01から1ヶ月間の記事一覧

タブー

1935年9月新譜 「タブー」はアフロ・キューバンの名曲で、聞けば誰でも、ああこの曲か、と分かるほどポピュラーな音楽である。キューバの女性作曲家マルサリータ・レクオーナが作曲、1935年にレクオーナ・キューバン・ボーイズが吹き込んだレコードで世界的…

サーカスの男

新宿帝都座舞踏場のタンゴバンド、ニューテイト・タンゴオーケストラが吹き込んだ「サーカスの男」(高橋孝太郎 編曲)である。1935年9月新譜。 この楽団は戦前のダンスホールの実働バンドで、曲は以下に記すとおりニューテイト・タンゴオーケストラが売り物…

東京帝大の学生カルテット

今回はニットーの茶色盤2枚である。茶色盤は特殊ラベルで、個人吹き込みに供されたカラーである。 上のはチャイコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」で、AB両面に亘って吹き込まれている。同曲をきちんと演奏したものでは、これが日本で最初ではない…

スエズ

大正期から昭和初期に流行した「スエズ」という曲があり、日本でもジャズバンドが録音しているので二種類並べてみる。 "Suez"はポール・ホワイトマンのオーケストラのバンドマン、ファーデ・グロフェ Ferde Grofe の作曲したフォックストロットである。グロ…

ポリドール白盤

道頓堀行進曲とは銘打ってあるが、これは日比繁次郎作詩、塩尻精八作曲の有名なそれではない。作詩作曲未詳の異曲である。但し画像を見れば判るように曲名を鉛筆で抹消した跡がある。これは社内会議にかける為にプレスされた所謂テスト盤である。 道頓堀行進…

空中行進曲

大阪朝日新聞と東京朝日新聞で制定した航空記念の唱歌、「空中行進曲」は1929年に日蓄系のニッポノホン、コロムビア、オリエントでレコード化された。先日の音盤倶楽部でようやく三種類が揃った。 オリエント以外のレーベルは目下、田舎のコレクションに架藏…

天神祭どんどこの唄

1930年8月新譜。 このレコードは大阪にとっては色々と面白い見所のあるレコードである。 天神祭を題材とした流行歌という点ではもっとも初期のものに属するし、最近あまり華々しくないにしても一応復活した松竹歌劇団の前身である松竹楽劇部のレヴューで歌わ…