ニッポン・スヰングタイム

著作やCD制作、イベントの活動を告知します。戦前・戦中ジャズをメインとして、日本の洋楽史について綴ります。

POP'S

Royal Blue RecordとBG

Benny Goodman and His Music Hall Orchestra “Take My Word”(Benny Carter) “It happens to the Best of Friends”(Bloom-Parish) Rec.: 16th. Aug.1934 これはベニー・グッドマンがNBCラジオの電波に乗って全米を席捲し、スウィング王となる前夜、初めてバ…

ティティナ "Titina"

最近ではトヨタが使っていたが、ときおり思い出したようにCMで流れる「ティティナ」”Titina”は、もともとは第一次世界大戦後のフランスで流行したメロディーである。 1922年、ロシア系フランス人作曲家のレオ・ダニダーフ Leo Daniderff が作曲したというこ…

二つの追分

昨今、原稿仕事の多忙で当ブログの更新もはかばかしくないのは、まことに申し訳ないことである。 多忙のせいにしてはいけないが、また一つは物事をいいかげんに記述しては気が済まないという気質も反映して、且つなるだけ満足のいく文章をと考えるため、余計…

「蒲田行進曲」の原曲"Song of the Vagabonds"�U

ひとつ重要なレコードを忘却していた。 1925年12月16日、電気録音となってすぐに吹き込まれたナット・シルクレット指揮ビクター・ノヴェルティー・オーケストラのコーラス附きのレコードはメリハリの効いた好演奏で、翌年に発売されると、アメリカ人の好みに…

「蒲田行進曲」の原曲"Song of the Vagabonds"

身辺がたいへん多忙になって、なかなか更新が進まなくなりました。 久しぶりの更新のような気がします。決してネタ切れではないのでそこのところは。 *−−−−−−−−−−−− 「蒲田行進曲」の起源についてずいぶん以前から興味を持っていてレコードを蒐めていたので…

タブー

1935年9月新譜 「タブー」はアフロ・キューバンの名曲で、聞けば誰でも、ああこの曲か、と分かるほどポピュラーな音楽である。キューバの女性作曲家マルサリータ・レクオーナが作曲、1935年にレクオーナ・キューバン・ボーイズが吹き込んだレコードで世界的…

サーカスの男

新宿帝都座舞踏場のタンゴバンド、ニューテイト・タンゴオーケストラが吹き込んだ「サーカスの男」(高橋孝太郎 編曲)である。1935年9月新譜。 この楽団は戦前のダンスホールの実働バンドで、曲は以下に記すとおりニューテイト・タンゴオーケストラが売り物…

Dancing Dixieland-Style

服部良一は昭和初期からルンバやスイングジャズなど時代の尖端をいく編曲を研究し、戦前にいち早くブギを取り入れたジャズアレンジを行なっていた。もっとも「別れのブルース」「雨のブルース」など一連のブルース物のヒットで、戦前は「日本のブルース王」…