ニッポン・スヰングタイム

著作やCD制作、イベントの活動を告知します。戦前・戦中ジャズをメインとして、日本の洋楽史について綴ります。

熊田千穂と銀座キラ星カルテットのノンシャラン音楽教室vol.1

今年は立てつづけに関東地方でお仕事をいたします。 たとえば、古民家を活かした浜美枝さんご一家の素晴らしいギャラリー・ハウス箱根やまぼうしでの連続コンサート(6月〜)などもその一つなのですが、今回、至急お知らせしたいのが、浅草で来週に控えましたる「熊田千穂とキラ星カルテットのノンシャラン音楽教室 vol.1」です! 僕は生来の怠け者でして、あっという間に開催一週間前になってしまいました。慌ててご紹介します。 この催しの主催者である熊田千穂さんと初めてお目にかかったのはたしか…「ニッポン・スウィングタイム」(講談社 2010)出版記念の「ぐらもくらぶ」であったかと思います。初めて熊田千穂さんとまともにお話ししたのは、これもたしか次の「ぐらもくらぶ」の会だったかと思います。なぜそのような些細なことを記すかというと、実は今回の熊田さんの「ノンシャラン音楽教室」、そのときすでに萌芽となる抱負をじかに聞いているからです。いかに彼女が準備万端ととのえて、この教室を始められたか、その一事でお分かりのことと思います。 さて、この音楽教室、まことに面白いことに戦前のジャズソングを、その当時のアレンジで演奏・歌唱いたします。なーに簡単だとお思いになるでしょう?楽譜さえあればそんなもの簡単だとお思いになるでしょう?ところが豈図らんや。楽譜がそもそも無いのです。彼らが演奏するのは、全てすぐれたバンジョー奏者・青木研さんが採譜したものなんです。もちろん演奏する編成にしたがって若干の改変はしていますが、「熊田千穂とキラ星カルテット」の演奏。彼らが演奏するのは、ほんとうのジャズソングです。 青木研さん(bjo)が採譜した井田一郎のアレンジ。これは日本のジャズ界の宝です。彼はレコードから耳コピで採譜をして、キラ星のためにアレンジしています。青木さん自身のバンジョーは世界でも通用する腕ですから、その点、昭和初期の日本のジャズバンドの水準を破っていますが、上手い分にはありがたい話です。 そこに熊田千穂さんがスウィングするヴォーカルを乗せます。 彼女は「上海バンスキング」の吉田日出子の歌唱を範とし、吉田日出子は川畑文子の歌唱を範としていますから、詰まるところ彼女は川畑文子のヴォーカル上の縁戚となるわけですが、なつかしいのではない、あたらしい昭和初期の扉を彼女は開いてくれることでしょう。 テーマは"ノンシャラン"。ごゆるりと軽快で猥雑でまったりとした時代を〜演奏はホットですが〜味わってください☆ 以下、概要でっす! 日時:3月18日(日) 会場:ヨーロー堂2階 企画:熊田千穂・ヨーロー堂 トモコ 開場:13:30 開演:14:00 料金:2500円 ゲスト:毛利眞人 氏 出演:熊田千穂と銀座キラ星カルテット 熊田千穂vo 青木研bj/gt 筒井政明tp 斉藤チホvln 井桁賢一sus 加藤亜依perc/xylophone  ヨーロー堂:トモコ ※ノンシャラン-のんしゃらん-nonchalant(仏語) のんきなさま さり気ない 涼しい顔で       ・・・などの意味