ニッポン・スヰングタイム

著作やCD制作、イベントの活動を告知します。戦前・戦中ジャズをメインとして、日本の洋楽史について綴ります。

チンコロ仔犬

目下、出版用の最終稿に手こずっているのでなかなか更新がままなりませんが、煮詰ったときに簡単ながら更新したいと思います。

このレコードは1931年2月に来日したアルト歌手、クララ・バットの日本録音です。この北原白秋作詩・山田耕筰作曲の「チンコロ仔犬」はバットが唯一、日本語で歌唱したレコードで、バットが活躍した本国、英国でも珍しいレコードとして遇されています。ただし日本でもバットのレコードは高価な紫レーベルで発売されていたので一般的に売れず、今日では専門店やネットオークションなどで素晴らしい値段になってしまいます。

出来としては、むしろ裏面のお国もの「アニー・ローリー」の方が良い歌唱かと思われます。