ニッポン・スヰングタイム

著作やCD制作、イベントの活動を告知します。戦前・戦中ジャズをメインとして、日本の洋楽史について綴ります。

☆明けましておめでとうございます☆

あけましておめでとうございます。 2011年は、まさに激動の一年でありました。私にとっても嵐のような年でしたが、一面、創造の年でもありました。 旧年中、6タイトルがリリースされた「ニッポン・モダンタイムス」シリーズは2012年もつづきます。 1月18日にコロムビアより発売される、その名もニッポン・モダンタイムス シリーズ~SWING TIME~は、拙著「ニッポン・スウィングタイム」の内容に即して選曲しました。文章では伝えきれない戦前ジャズの世界をぜひご堪能ください。このCDでは、書籍では紙数の関係で触れられなかった分野にも踏み込み、拙著の世界を強力にカバーするサウンド版「ニッポン・スウィングタイム」に仕上げました。たとえば初復刻のジャズコーラス群や、戦時下のホットなハワイアン、画家・藤田嗣治の夫人であるマドレーヌ藤田の秘蔵盤は、書籍のボリュームが増えすぎたため泣く泣く原稿を削ったのをサウンド版で復活することができました。こうした冒険的な選曲を許してくださった日本コロムビアの英断には、ただただ感謝するばかりです。 さらに既報のとおり、1月20日には講談社より新著が上梓されます。 「沙漠に日が落ちて─二村定一伝」二村定一は高校時代から20年間、伝記化を目指していた歌手です。二村の初の本格的評伝ということで読みやすさに配慮した伝記に仕上げましたが、書籍化に当たっては講談社さんもたいへん力を入れて下さり、詳細なディスコグラフィー、年譜、索引を附することができました。 ディスコグラフィーはそれこそレコードの現物、レコード会社の月報や記事などのデータを中学時代からちまちまと蒐め、先輩コレクターや仲間たちからも情報を教えて頂きました。他に追随する者のない出来栄えを自負します。 1月25日にはビクターエンタテインメントから、その伝記のサウンド版として私の青空~二村定一ジャズ・ソングスがリリースされます。書籍とタイアップのかたちで、制作には両社より全面的なバックアップをして頂きました。「ニッポン・モダンタイムス」シリーズを通じて思うことですが、私は思うままに選曲・解説をさせて頂きました。戦前ジャズを愛し、その研究と伝播に務める者として、これ以上の幸せはありません。 このCDでは私の好きな二村ソングを、私の著した伝記に沿って選曲いたしました。初復刻が半数以上を占める復刻。二村の眞面目をビクターの60曲以上の録音から精選した決定盤です。 ちなみに収録曲は、一曲を除いて、すべてビクター社所蔵の金属原盤より復刻しました。プレスに用いるファーザー原盤より一工程前のマザー原盤ですから、市販のシェラック盤からは得られない奥行きのあるクリアな音質で、80年前のジャズ・エイジが再現されています。この機会に二村定一をご存知ない方もぜひ彼の底抜けに明るくてペーソスのある唄声をお聴きください。 ということで、今年もどうぞ宜しくお願い申し上げます! なお新著発売とCDリリースに臨んで東京でイベントも行ないます。追って告知いたしますので、そちらもぜひ宜しくお願いします。